今日、2026年8月26日。
私たちが、15年前に結婚式を挙げた場所へ、久しぶりに食事に行ってきました。
結婚式をしたのは、2011年8月27日。
場所は、千葉の古民家レストラン「百姓屋敷じろえむ」さん。もともと結婚式場でもなければ、ウェディングを専門にしているレストランでもありません。でも、古民家の雰囲気も、料理も、そしてオーナーの稲葉さんの人柄も大好きで、「ここで結婚式をしたい」とお願いして、家族や友人たちと一緒に手作りの結婚式をしました。

当時すでに私は結婚式を撮る仕事をしていたので、「このタイミングでこれをして」「ここで移動して」「写真を撮るならこのくらい時間が必要で」という段取りは分かっていました。
だから、結婚式場ではない場所でも、思っていた以上にちゃんと結婚式になった。自分で言うのもなんですが、とてもいい一日だったと思っています。
そして15年経った今。
あの日の経験も、これまでたくさんの結婚式を撮ってきた経験も使って、Studio門出で新しく
「家族で祝う、小さな結婚式」というサービスを始めたいと思っています。
結婚式って、もっと小さくてもいいと思うんです
「結婚式」と聞くと、
- 立派な式場を予約して
- 大勢のゲストを呼んで
- 披露宴をして
- 何百万円もかけて
そんなイメージを持っている方も多いと思います。もちろん、それも素敵な結婚式です。でも、それだけが結婚式じゃありません。家族だけで神社へ行って、ふたりで夫婦になる誓いをして、晴れ姿をご両親に見てもらって、みんなで写真を撮る。
それだけでも、ちゃんと結婚式です。
豪華な披露宴をしなくてもいい。大勢の人を呼ばなくてもいい。「結婚したんだ」ということを、ふたりと家族でちゃんと祝う。私は、それだけでも十分意味があると思っています。

せっかく和装をするなら、挙式までしちゃってもいいじゃん
ここは、ちょっと商売っ気のある話でもあります(笑)。
最近は、「結婚式はしないけど、和装の写真は残したい」という方も多いです。
それはもちろん大歓迎です。でも、白無垢や色打掛、紋付袴を着て。ヘアメイクをして。ふたりで時間を作って。それなりのお金もかけて。そこまで準備をするなら、
「せっかくだから、そのまま神社で夫婦の誓いまでしてもいいんじゃない?」
と思ったんです。
もちろん、無理におすすめしたいわけではありません。写真だけ残したい方は、写真だけでいい。でも、「結婚式って、もっと大変なものだと思ってた」「披露宴までしないといけないと思ってた」という方には、
家族だけで迎える結婚式もあるよ
という選択肢を知ってもらいたい。それが、このサービスを始めようと思った理由のひとつです。
写真だけでも残る。でも、結婚式をすると残るものが少し増える
私は写真屋なので、
「写真だけでも十分価値がある」
と本気で思っています。
でも、結婚式を長く撮ってきて、もうひとつ思うことがあります。
結婚式の日って、
ふたりの写真だけを残す日じゃないんです。
ご両親が、晴れ姿を見ている顔。
お母さんが衣装を直しているところ。
お父さんが少し照れながら娘を見ているところ。
親御さん同士が話しているところ。
家族が集まって笑っているところ。
結婚式の写真には、
「自分たちは、こんなふうに大切にされてきたんだ」
と、あとから客観的に気づける写真がたくさん残ります。

新郎新婦本人は、その日のことで精一杯だったりします。でも、写真には、自分たちの知らないところで笑っていたお父さんや、涙をこらえていたお母さんや、うれしそうに見守っていた家族が写っている。
何年か経ってから写真を見て、「ああ、こんな顔で見てくれていたんだ」と初めて気づく。そういうことがあります。
子どもが生まれてから、見え方が変わる写真もあります
これは、お客様からもよく聞く話です。
結婚式をした当時は分からなかったけれど、自分が親になって、子どもを育てるようになって、もう一度結婚式の写真を見る。
すると、
「自分も、こんなふうに育ててもらったんだな」
と感じるようになった。そんな話を聞くことがあります。
自分が子どもにしていること。心配すること。うれしくなること。成長するたびに少し寂しくなること。それを経験して初めて、写真の中に写っている自分の両親の気持ちが、少し分かる。結婚式の写真は、結婚した二人だけのためのものではないんだと思います。
家族の時間が進んでいくほど、意味が増えていく写真もあります。

両親にとって、結婚式は「子育ての卒業式」なのかもしれない
結婚式をたくさん撮ってきて、何度も耳にした言葉があります。
ご両親が、ふっと力が抜けたように、
「これでようやく子育てが終わったね」
と話している言葉です。
その言葉を最初に聞いた頃は、「結婚式って、ご両親にとってはそういう日でもあるんだな」くらいに思っていました。
でもその後、結婚式を撮らせていただいたご夫婦にお子さんが生まれて、お宮参りを撮って。七五三を撮って。入学を撮って。
家族が少しずつ大きくなっていく姿を、たくさん撮らせていただくようになりました。
そうやって家族の時間を長く見ているうちに、ご両親が結婚式の日に言っていた
「子育てが終わった」
という言葉の意味が、少しずつ実感として分かるようになってきました。





子どもが生まれたとき。
きっと多くの親が、まず願うのは、
「この子が幸せに育ってくれたらいい」
ということだと思います。
そして、まだ赤ちゃんを抱っこしている頃から、「七五三はどうしよう」「学校は」「成人式は」その先には、
「いつか結婚するときが来るのかな」と、ずっと先の未来までぼんやり思い描いている親御さんも少なくないと思います。
実際、子どもが小さい頃から、
「いつか結婚するときのために」
と少しずつお金を準備しているご家庭もあります。
今は結婚式の形もずいぶん変わりましたし、親が費用を出すことが当たり前だとも思いません。
でも、それくらい、
「わが子が大人になって、誰かと家庭をつくる日」
というのは、親にとって昔から大きな節目だったのだと思います。
お宮参り。
七五三。
小学校入学。
卒業。
成人式。
大学を卒業したり、社会に出たり。
子どもが生まれてから、いくつもの節目があります。
うれしいことばかりではなくて、心配したことも。怒ったことも。眠れなかった夜も。きっとたくさんあります。
そして、その子が大人になり、自分で人生を一緒に歩く人を選んで、「この人と夫婦になります」と家族の前に立つ。
そこでようやく、「ああ、ここまで来たんだな」と肩の力を抜ける。
だから結婚式の日に、
「これで子育ても終わりだね」
という言葉が出てくるのかもしれません。
ふたりには始まりの日。ご両親には、ひとつの卒業の日。
新郎新婦にとって、結婚式は、これから夫婦として歩いていく始まりの日です。
一方で、ご両親にとっては、何十年も続けてきた子育ての、大きな一区切りの日でもあります。
私は、
結婚式は、ご両親にとっての「子育て卒業式」でもある
と思っています。
そして、その日に見るわが子の晴れ姿は、ここまで子育てを頑張ってきたご両親への、ひとつのご褒美なのかもしれません。

白無垢姿の娘。
紋付袴姿の息子。
夫婦になる誓いを立てるふたり。
その姿を目の前で見ながら、「ここまで育ったんだな」と感じてもらう。
私は、できることならその時間をご両親にも味わってほしいと思っています。
これは完全に、私のおせっかいです(笑)。
でも、
晴れ姿を見せること自体が、ひとつの親孝行になってもいい。
育ててくれてありがとう。
ここまで見守ってくれてありがとう。
私たちは、これからふたりでやっていきます。
そんなことを、言葉だけではなく、一日を通して伝える。
結婚式には、そういう役割もあると思うんです。

だから、家族で祝う結婚式にしたい
だからといって、盛大な披露宴をしてほしいわけではありません。
何百万円もかけてほしいわけでもありません。大勢のゲストを呼ばなくてもいい。家族だけで神社へ行って。
ふたりが夫婦になることを誓って。晴れ姿をご両親に見てもらって。最後にみんなで写真を撮る。それだけでも十分です。
ふたりにとっては、夫婦の始まり。
ご両親にとっては、子育てのひとつの卒業。
その両方を、家族みんなで祝う。
だからStudio門出では、
「家族で祝う、小さな結婚式」
という形をつくりたいと思っています。
写真だけでも、もちろん残せるものはたくさんあります。
でも、そこに「夫婦になることを家族に見届けてもらう」という時間が加わることで、その一日の意味は、もう少し深くなるんじゃないか。
私はそう思っています。

15年、同じ場所で写真を撮り続けています
毎年この時期になると、じろえむさんの茅葺き屋根の長屋門の前で、ふたりの写真を撮ってきました。
夫婦ですから、その年その年でいろいろあります。
正直、気分が乗らない年だってありました。
でも、撮ると決めたら撮る。
そうやって毎年一枚ずつ残してきました。





今、その写真を並べて見ると、撮り続けてきてよかったなと思います。
髪型が変わっていたり。服装が変わっていたり。少しずつ歳を取っていたり。
その年その年の自分たちが、ちゃんとそこにいる。
写真だけを見ると笑っているけれど、「この頃はこんなことで悩んでたな」「あの年はちょっと大変だったな」なんて、写真には直接写っていないことまで思い出します。
でも、それも含めて、自分たちが一緒に過ごしてきた15年です。
写真は、幸せだったことだけを証明するものじゃない
結婚式の写真というと、幸せそうな二人を残すもの。そう思われるかもしれません。もちろん、それもそうです。
でも、15年経って思うのは、写真は、
「ずっと何の問題もなく幸せでした」
と証明するためのものではないんだな、ということです。
いろいろあったけれど、そのたびに時間が進んで、それでも今ここにいる。
写真を並べると、そのことが見える。
だから、夫婦喧嘩をしたときに昔の写真を見返して、「まあ、いろいろあったよな」と少し頭が冷えたり。
結婚式の日に家族が笑っている写真を見て、「あの日、みんなこんなに喜んでくれてたんだよな」と思ったり。
そうすると、さっきまで言えなかった「ごめん」が、少しだけ言いやすくなることもあります。
写真が夫婦を救ってくれる、なんて大げさなことを言いたいわけではありません。
でも、
ふたりがここまで一緒に歩いてきたことを思い出させてくれる。
写真には、そんな役割もあると思っています。
だから、結婚式の日を残してほしい
私が「家族で祝う、小さな結婚式」を始めたいと思った理由も、ここにつながっています。
結婚式は、一日で終わります。
でも、その日に撮った写真は、その後の夫婦生活の中に残ります。
二人が笑っている写真。ご両親が晴れ姿を見つめている写真。家族みんなで笑っている写真。

「私たちは、この人たちに祝ってもらって夫婦になったんだ」ということが、あとから写真を見たときに分かる。
そして、その写真を見る意味は、結婚直後と、5年後と、15年後ではきっと違います。子どもが生まれたら、また違って見える。
自分が親になって初めて、写真の中の自分の両親がどんな気持ちだったのか、少し分かるようになることもあります。
だから私は、写真だけ撮るのももちろんいいけれど、もし少しでも、「結婚式もしてみようかな」という気持ちがあるなら、
家族を巻き込んで、ちゃんと祝う日を作ってほしいなと思っています。
大げさな披露宴じゃなくていい。家族だけでいい。
でも、夫婦になることを誓って、大切な人に見届けてもらって、その日のことを写真に残す。その写真が、何年か先の二人を支えてくれることもあると思うからです。
今年も、同じ場所で
2026年8月26日。
結婚式から、ちょうど15年。今年も百姓屋敷じろえむさんへ行ってきました。
今は息子さんがじろえむさんを継いでいます。15年前と比べれば、少しずつ変わったこともあります。それでも、同じ門の前に立つと、結婚式の日のことを思い出します。
そして今年も、いつもの茅葺き屋根の長屋門の前で、ふたりの写真を撮りました。
15年前と同じ場所で。
15年分、歳を取った二人で。
毎年撮ってきた写真に、また一枚増えました。
こうして並べて見ると、やっぱり撮り続けてきてよかったなと思います。

そして、そんな自分たちの経験も使いながら、Studio門出で、
を始めます。
※じろえむさんのホームページの写真撮影は、Studio門出にご依頼いただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
「うちの子、人見知りだけど大丈夫かな?」
「衣装の持ち込みはできる?」
など、 少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にLINEでご相談くださいね。
私たち夫婦も、お会いできるのを楽しみにしています!

